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春は帯状疱疹が増えやすい?その理由とは

── 免疫力の低下と季節の変わり目の関係 ──


「どうして今、帯状疱疹に?」と驚かれる方へ

4月は寒暖差が大きく、天気も不安定で、環境の変化が多い季節です。この時期、「疲れが抜けない」「よく眠れない」「気持ちが落ち着かない」といった心身のストレスがたまりやすく、その結果として帯状疱疹を発症される方が増えることがあります。

当院でも、この時期は帯状疱疹でご来院される方がちらほら見られます。「なぜ今このタイミングで?」と驚かれる方も多いため、その背景をわかりやすくお伝えします。


帯状疱疹とはどんな病気か

帯状疱疹は、水ぼうそう(水痘)の原因となるウイルス(水痘・帯状疱疹ウイルス)が再び活動を始めることで起こる病気です。子どもの頃に水ぼうそうにかかった後、このウイルスは体の神経節に長年ひっそりと潜んでいます。

普段は免疫の働きによってウイルスが抑え込まれていますが、免疫力が低下すると再活性化し、神経に沿って片側にピリピリした痛みや赤い発疹・水ぶくれが帯状に現れます。「ただの筋肉痛かな」「肩こりがひどいな」と思っていたら帯状疱疹だった、というケースも少なくありません。

重要なのは、発疹が出てからできるだけ早期に抗ウイルス薬を開始することです。皮疹出現後3日以内、遅くとも5日以内の投与開始が望ましいとされており、治療が遅れると痛みが長引く「帯状疱疹後神経痛(PHN)」に移行するリスクが高まります。


なぜ免疫が落ちると帯状疱疹が出るのか

帯状疱疹の大きな引き金は「免疫力の低下」です。免疫力が落ちる主な原因として、加齢(50代以降で罹患率が明らかに上昇し、70代でピークとなることが国内の大規模調査で示されています)、糖尿病・がん・免疫疾患などの持病、抗がん剤やステロイドなど免疫を抑える薬、慢性的な睡眠不足、心身の強いストレスや過労などが知られています。

特に働き盛りの世代では、「仕事が忙しい時期に一気に疲れが出た」「精神的なストレスが続いていた」というタイミングで発症するケースが少なくありません。「ストレスや疲労 → 免疫低下 → 潜んでいたウイルスが再活性化 → 帯状疱疹として表に出てくる」という流れで理解できます。


なぜ4月〜初夏に帯状疱疹が増えやすいのか

4月そのものがウイルスを活性化させるわけではありません。しかしこの時期は、免疫を下げる要因が重なりやすい季節といえます。新生活・新学期・人事異動など環境の変化、慣れない仕事・人間関係による精神的ストレス、生活リズムの乱れや睡眠不足、寒暖差が大きく自律神経に負担がかかること、花粉症など季節特有の体調不良が重なること——こうした要素が積み重なることで心身ともに疲れやすく、免疫の働きが弱まりやすくなります。

このブログの「自律神経失調症とは」「更年期障害と自律神経の乱れ」の記事でもお伝えしたように、春は自律神経が乱れやすい季節です。そのバランスの崩れが免疫にも影響し、帯状疱疹の発症につながることがあります。臨床現場でも、年度末・新年度のタイミングに帯状疱疹の患者さんが増える印象を持つ医師は少なくありません。


こんな症状は帯状疱疹かもしれません

次のような症状がある場合は、早めの受診をおすすめします。

  • 体の片側だけにピリピリ・ズキズキするような痛みが出てきた
  • その部位の皮膚がヒリヒリ・熱っぽく、触ると痛む
  • 数日以内に同じ場所に赤い斑点や水ぶくれが帯状に出てきた
  • 顔面(特に目や耳の周り)に似た症状がある

特に顔面(目・耳の周囲)に帯状疱疹が出ると、視力障害や難聴・顔面神経麻痺などの重篤な合併症につながることがあるため、早急な対応が必要です。「片側だけの痛み+皮膚症状」の組み合わせには注意が必要です。


自分でできる予防とワクチンについて

帯状疱疹を完全に防ぐことはできませんが、リスクを減らすためにできることがあります。十分な睡眠時間を確保する、生活リズムを整え休息の時間を意識して取る、ストレスをため込みすぎずこまめに気分転換をする、栄養バランスの良い食事と適度な運動で体調を整える——こうした日常の積み重ねが免疫力の維持につながります。

ワクチンも有効な選択肢です。2025年度から帯状疱疹ワクチンが定期接種(65歳以上の方などが対象)となりました。生ワクチン(1回接種)と組換えワクチン(2回接種)の2種類があり、帯状疱疹後神経痛に対する予防効果は接種後3年時点で生ワクチンが6割程度、組換えワクチンが9割以上と報告されています。50歳以上の方や持病で免疫が落ちやすい方には、ワクチン接種を積極的にご検討いただけます。

このブログの「帯状疱疹・帯状疱疹ワクチン」の記事でも、ワクチンの種類・費用・対象年齢について詳しくお伝えしています。


当院での対応について

当院では、帯状疱疹の診断・治療(抗ウイルス薬の処方)を内科の立場から行っています。「片側だけが痛い」「皮膚に変な感覚がある」という段階でも、まずご相談ください。早期に治療を始めることで、帯状疱疹後神経痛のリスクを下げることが期待できます。

日常生活やストレスとの付き合い方についても、一緒に考えていきます。「このくらいで受診してもいいのかな」と思う段階でも、どうぞお気軽にご来院ください。


友成第二医院(文京区護国寺)/内科・整形外科・リハビリテーション科


参考

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