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その他内科(生活習慣病)

尿酸値が高いと言われた方へ

── 痛風になる前に、今できること ──


「まだ痛くないから大丈夫」——その油断が危ないんです

健診で「尿酸値が高いですね」と言われても、体はどこも痛くない。だから「痛風になったら考えよう」と、そのままにしている——そんな方が、とても多くいらっしゃいます。特に暑いこの季節、冷えたビールが進む時期は、尿酸値にとって実は要注意のシーズンです。

痛風の「あの激痛」は、ある日突然やってきます。しかもその裏では、尿酸値の高い状態が腎臓や血管にも静かにダメージを与えていることが分かってきました。この記事では、尿酸値が高いとはどういう状態か、痛風発作を防ぐために今できること、そして「そろそろ相談を」の目安についてお伝えします。


結論:尿酸値7.0を超えたら、痛くなくても対策の始めどきです

先にお伝えします。血液中の尿酸値が7.0mg/dLを超えた状態を「高尿酸血症」といい、痛風発作がまだなくても、この段階から生活習慣を見直すことが大切です。

尿酸は、「プリン体」という物質が体内で分解されてできる老廃物です。通常は尿などから排出されてバランスが保たれていますが、作られる量が増えたり、排出がうまくいかなくなったりすると、血液中に尿酸がたまります。これが高尿酸血症です。

尿酸値が高い状態が続くと、尿酸が結晶となって関節にたまり、ある日突然、激しい炎症(痛風発作)を引き起こします。多くは足の親指の付け根に起こり、「風が吹いても痛い」と言われるほどの激痛です。痛みがないうちこそ、発作を防ぐチャンスなのです。


尿酸値が高いと、痛風だけでは済まない

「痛風にならなければいい」と思われがちですが、高尿酸血症の問題は痛風だけではありません。近年の研究で、尿酸値が高い状態は体のさまざまな部分に影響することが分かってきました。

腎臓への影響:尿酸は腎臓から排出されるため、高い状態が続くと腎臓に負担がかかり、腎機能の低下につながることがあります。当院ブログの慢性腎臓病(CKD)とはともつながるテーマです。

尿路結石:尿の中の尿酸が結晶化し、尿路結石(激しい痛みを伴うことがある)の原因になることがあります。

生活習慣病との関連:高尿酸血症は、肥満・高血圧・脂質異常症・糖尿病などと合併しやすいことが知られています。「尿酸値だけの問題」ではなく、生活習慣病全体の一部として捉えることが大切です。

血管・心臓への影響:尿酸値が高いこと自体が、動脈硬化や心血管疾患のリスクと関連する可能性も指摘されています。

つまり、尿酸値は「痛風の予告」であると同時に、「生活習慣全体を見直すサイン」でもあるのです。


なぜ夏に尿酸値が上がりやすいのか

実は、夏は尿酸値が上がりやすく、痛風発作も起こりやすい季節です。理由は主に3つあります。

①ビールなどアルコールの摂取が増える

アルコールは、その種類を問わず、代謝の過程で尿酸を増やし、さらに尿酸の排出を妨げます。特にビールはプリン体そのものも含むため、二重に尿酸値を上げやすい飲み物です。「夏はビール」という習慣が、尿酸値には逆風になります。

②汗をかいて脱水になりやすい

夏は汗で水分を失いやすく、体が脱水気味になります。すると尿の量が減り、尿酸が排出されにくくなって血液中の尿酸が濃くなります。

③冷たい甘い飲み物の摂りすぎ

清涼飲料などに含まれる果糖(果糖ぶどう糖液糖など)は、尿酸の産生を増やすことが分かっています。夏に増えがちな甘い飲み物も、尿酸値を上げる一因です。

これらが重なる夏は、まさに「尿酸値の危険シーズン」。だからこそ、この時期に一度見直しておく価値があります。


今日からできる尿酸値ケア

尿酸値は、生活習慣の工夫で下げられる余地が大きい数値です。無理なく続けられるものから取り入れてみてください。

アルコールを見直す(特にビール):毎日飲む習慣がある方は、量を減らし、週に1〜2日の休肝日を設けましょう。ビールをほかのお酒に替えるだけでなく、「量そのもの」を減らすことが大切です。

水分をしっかりとる:水やお茶を1日を通してこまめに飲むことで、尿酸が尿として排出されやすくなります。ただし甘い飲み物ではなく、水・麦茶などで。

プリン体の多い食品を摂りすぎない:レバーなどの内臓類、白子、干物、魚卵などはプリン体が多めです。「完全に避ける」必要はありませんが、毎日大量に食べるのは控えめに。プリン体は水に溶けるので、煮汁を飲み干さない工夫も有効です。

果糖・甘い飲み物を控える:清涼飲料・ジュースの摂りすぎに注意しましょう。

適正体重を目指す:肥満は尿酸値を上げる要因のひとつです。急激な減量はかえって尿酸値を上げることがあるため、無理のないペースで。当院ブログのお花見ウォーキングで健康な足腰づくりも参考にしてください。

なお、痛風発作が起きているとき(関節が赤く腫れて激痛がある)は、尿酸値を急に動かすとかえって悪化することがあります。発作中は自己判断で対処せず、まず医療機関を受診してください


「ここまで来たら相談を」の受診目安

次のような場合は、一度ご相談ください。

  • 健診で尿酸値7.0以上を指摘され、放置している
  • 過去に痛風発作を起こしたことがある
  • 足の親指の付け根などが赤く腫れて激しく痛む(発作の可能性)
  • 尿酸値だけでなく、血圧・血糖・脂質なども指摘されている
  • お酒を毎日飲む習慣がある
  • 尿路結石を経験したことがある

特に「足の親指の付け根の激痛+腫れ」は痛風発作の典型的なサインです。発作を繰り返すほど関節へのダメージが蓄積するため、早めの対応が大切です。また、生活改善をしても尿酸値が下がらない場合は、尿酸値を下げる薬による治療が有効なこともあります。「体質だから」とあきらめず、一度ご相談ください。


当院でできること

「尿酸値が高いと言われたが、どうしたらいいか分からない」「痛風発作が起きてつらい」「お酒との付き合い方を見直したい」——こうしたご相談を内科・総合診療の立場からお受けしています。

問診と血液検査で尿酸値や腎機能を確認し、尿酸が「作られすぎているタイプ」か「排出されにくいタイプ」かなども含めて評価します。その上で、生活習慣の見直しから、必要な場合の薬による治療まで、一人ひとりに合わせて一緒に考えます。

高尿酸血症は、高血圧・糖尿病・脂質異常症などと合併しやすいため、当院では尿酸値だけでなく生活習慣病全体を総合的に診ていきます。当院ブログの血圧が130台になってきた。これって治療が必要?健診で毎年同じ指摘、放っていませんか?もあわせてご覧ください。

護国寺・大塚・目白台・雑司ヶ谷・東池袋・江戸川橋エリアにお住まいの皆様、そして「毎年尿酸値を指摘されているけれど放置している」という方、痛風発作が起きる前に、一度その数値と向き合ってみませんか。


次の一手——今日からできる3つのこと

① お酒の量を見直し、週1〜2日の休肝日を作る
② 水・お茶での水分補給をこまめに(甘い飲み物は控えめに)
③ 尿酸値7.0以上を指摘されているなら、健診結果を持って相談を


よくあるご質問(FAQ)

Q. 尿酸値が高いですが、痛風発作はありません。治療は必要ですか?
A. 発作がなくても、尿酸値7.0以上が続く場合は生活習慣の見直しが大切です。数値の高さや合併症の有無によっては、薬による治療を検討することもあります。まずは一度ご相談ください。

Q. ビールをやめれば尿酸値は下がりますか?
A. アルコールの中でもビールは尿酸値を上げやすいため、見直しは有効です。ただし、ビール以外のお酒も代謝の過程で尿酸を増やすため、「種類を替える」だけでなく「量を減らす」ことが大切です。

Q. プリン体ゼロの食品なら安心ですか?
A. プリン体を減らす工夫は有用ですが、尿酸は体内でも作られるため、食事だけでコントロールできるとは限りません。アルコール・果糖・肥満など、複数の要因を総合的に見直すことが大切です。

Q. 痛風発作が起きたとき、市販の痛み止めを飲んでいいですか?
A. 発作時の対応は薬の選択に注意が必要で、自己判断は避けたほうが安全です。関節が赤く腫れて激しく痛む場合は、医療機関を受診してください。適切な薬で炎症を抑えることができます。

Q. 尿酸値の薬は一度飲んだらやめられませんか?
A. 生活習慣の改善で尿酸値が安定すれば、医師と相談のうえで薬を調整できる場合もあります。自己判断で中断すると発作を招くことがあるため、必ず医師と相談しながら進めます。


友成第二医院(文京区護国寺)/内科・整形外科・リハビリテーション科

参考

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