インフルエンザワクチン、いつ打つのがいい?
── 9月12日(土)より接種を開始します ──
「まだ早いのでは」と思っている方へ
当院では2026年9月12日(土)より、インフルエンザワクチンの接種を開始します。
こうお伝えすると、「9月はまだ早いのでは?」「早く打つと、流行のピークまでに効果が切れてしまうのでは?」と思われる方が多くいらっしゃいます。毎年よく受けるご質問です。
ただ、今シーズンは少し事情が違います。東京都では、すでにインフルエンザの流行が始まっています。
この記事では、今シーズンの状況を踏まえながら、インフルエンザとはどんな病気なのか、ワクチンには何が期待できるのか、そしていつ打つのがよいのかを、公的な情報に基づいてお伝えします。あわせて、当院での接種の流れや助成制度もご案内します。
今シーズンは、例年より1か月以上早く流行が始まりました
まず、現在の状況からお伝えします。
2026年8月27日、東京都は都内でインフルエンザの流行が始まったと発表しました。第34週(8月17日〜8月23日)の定点医療機関からの患者報告数が1.49人となり、国が「流行開始の目安」としている定点当たり1.0人を超えたためです。
注目すべきは、その時期です。昨シーズンに東京都が流行開始を発表したのは第39週(9月22日〜9月28日)でした。今年は、それより1か月以上早い流行入りということになります。
とはいえ、過度に心配される必要はありません。現時点では警報や注意報が出ている段階ではなく、「例年より少し早く動き始めている」という状況です。夏休みが終わり、学校や職場で人と接する機会が増えるこの時期は、感染が広がりやすくなります。東京都も、手洗い・換気・咳エチケットといった基本的な予防を呼びかけています。
大切なのは、慌てることではなく、「今シーズンは少し早めに動いておくほうが理にかなっている」と知っておくことです。
結論:厚生労働省が示しているのは「12月中旬までに」という目安です
では、いつ打つのがよいのでしょうか。いちばん多いご質問にお答えします。
厚生労働省のQ&Aには、次のように記されています。日本ではインフルエンザは例年12月〜3月頃に流行し、1月末〜3月上旬に流行のピークを迎えるため、12月中旬までにワクチン接種を終えることが望ましい——と。
ここで注目していただきたいのは、示されているのが**「いつまでに終えるか」という上限だけ**だという点です。「早すぎてはいけない」という下限は、公的な文書には示されていません。
「10月がベスト」「早く打つと効果が切れる」といった説明を見かけることがありますが、これらは公的な根拠に基づくものではありません。大切なのは、流行が本格化する前に確実に接種を済ませておくことです。
一般に、接種してから体に抵抗力がつくまでには2週間程度かかるとされています。年末は仕事も予定も立て込みます。「気づいたら12月になっていた」「打とうと思ったら在庫がなかった」——毎年そうした声を伺います。今シーズンのように流行入りが早い年は、なおさら早めに済ませておくことが確実な選択肢になります。
インフルエンザは「ただの風邪」ではありません
ワクチンの話に入る前に、この病気について整理しておきます。
インフルエンザは、インフルエンザウイルスに感染することで起こる病気です。普通の風邪が、のどの痛みや鼻水といった局所の症状からゆるやかに始まるのに対し、インフルエンザは38℃以上の高熱、強い倦怠感、関節痛や筋肉痛といった全身症状が急激に現れるのが特徴です。
多くの方は1週間程度で回復しますが、注意が必要なのはその先です。厚生労働省は、肺炎や脳症などの重い合併症が現れ、入院や死亡に至る方もいることを明記しています。これを「重症化」といいます。
特に重症化しやすいのは、次のような方です。
- 65歳以上の高齢の方
- 呼吸器や心臓に持病のある方
- 糖尿病など代謝性の疾患がある方
- 腎臓の機能が低下している方
- 免疫の働きが弱っている方
- 妊娠中の方
- 乳幼児
当院ブログの高血圧と言われたら最初に知っておきたいことや健診で毎年同じ指摘、放っていませんか?でお伝えしてきたような持病をお持ちの方にとって、インフルエンザは通常より大きな負担になり得ます。
なお、夏から秋にかけては、熱中症や夏風邪など、発熱の原因が紛らわしい時期でもあります。当院ブログの発熱・だるさ、それ熱中症?それとも夏風邪・コロナ?もあわせてご覧ください。
ワクチンに期待できること、できないこと
ここは正直にお伝えします。
インフルエンザワクチンは、感染を完全に防ぐものではありません。厚生労働省のQ&Aにも、現在国内で使われている不活化ワクチンには感染そのものを完全に阻止する効果はないと明記されています。「打ったのにかかった」ということは、実際に起こり得ます。
では、何のために打つのか。厚生労働省は、こう説明しています。
「インフルエンザワクチンの最も大きな効果は、『重症化』を予防することです」
発病を抑える効果も一定程度は認められていますが、麻しんや風しんのワクチンほど高い発病予防効果は期待できません。一方で、かかったときに肺炎などの重い合併症を防ぎ、入院や死亡のリスクを下げる——ここにワクチンの本質的な意義があります。
高齢の方については、厚生労働省は「インフルエンザワクチンによって、重症な肺炎などにかかることを予防できます」と明確に述べています。
つまりワクチンは、「かからないためのお守り」というより「重くならないための保険」と捉えていただくのが正確です。
当院での接種について
当院での運用をご案内します。
接種開始日:2026年9月12日(土)〜
料金:3,500円(税込)
予約:不要です
対象年齢:小学1年生以上
接種をご希望の方は、診療時間内にそのままご来院ください。受付後、院内で問診票をご記入いただきます。通常の診察と同様、受付順にご案内いたします。
当院は受付終了時間の制限を設けておりませんので、診療時間内であれば、お仕事帰りの時間際でも接種いただけます。
助成制度について(文京区は9月24日開始に前倒しされました)
2026年9月10日、文京区は「今年度はインフルエンザの流行開始が早いため」として、助成による接種開始を1週間前倒しし、9月24日(木)からとすることを発表しました。
当院は文京区内の医療機関ですので、文京区にお住まいの対象の方は、9月24日から助成をご利用いただけます。
文京区にお住まいの65歳以上の方など(定期予防接種)
対象となるのは、次のいずれかに該当する方です。
- 誕生日が昭和37年1月1日以前で、接種日に65歳以上の方
- 60歳以上65歳未満で、心臓・じん臓・呼吸器の機能、またはヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能に重い障害があり、身体障害者手帳1級をお持ちの方
費用は自己負担無料(接種期間中1回のみ)です。接種の際は、文京区から届く予診票を必ずお持ちください。
ここで注意点があります。お手元に届く予診票には「接種期間:10月1日から」と記載されていますが、文京区内の医療機関で接種する場合に限り、9月24日から接種いただけます。当院は文京区内ですので、9月24日以降であればそのままご利用いただけます。
予診票は9月下旬から順次郵送されます。「前倒しで受けたいが、まだ予診票が届いていない」という場合は、文京区予防対策課(03-5803-1834)へ直接お問い合わせください。
文京区以外の23区にお住まいの65歳以上の方
東京23区にお住まいで高齢者インフルエンザ予防接種の対象となる方は、当院でも接種いただけます。お住まいの自治体から発行された予診票を必ずお持ちください。
ただし、前倒し開始は文京区の措置です。豊島区・新宿区など他区にお住まいの方の接種開始日や手続きは、それぞれの区の制度によります。開始日をお住まいの区にご確認のうえ、お越しください。
文京区にお住まいのお子さん(費用助成)
文京区の「こどもインフルエンザ予防接種費用助成」も、9月24日(木)から開始されます(実施期間は令和9年1月31日まで)。
対象は、接種日現在で文京区に住民登録のある生後6か月〜高校3年生相当までの方です。なお当院では、小学1年生以上の方を接種対象としています。
助成額は注射用ワクチン1回あたり3,000円です。当院の接種料金は3,500円ですので、差額の500円が窓口でのお支払いとなります。
なお、13歳未満のお子さんは2回接種、13歳以上高校3年生相当までの方は1回接種が目安とされています。
9月12日〜9月23日に接種をご希望の方へ
助成の開始は9月24日からです。そのため、助成の対象となる方でも、9月23日までに接種する場合は3,500円(税込)の自費接種となります。
「9月24日を待たずに、早めに済ませておきたい」という方は、9月12日から接種いただけます。ご自身の予定に合わせてお選びください。
※助成制度の詳細は文京区にご確認ください。当院の運用について不明な点は、お気軽にスタッフまでお尋ねください。
接種にあたって、知っておいていただきたいこと
当日の体調について:明らかな発熱がある場合や体調が優れない場合は、接種を見合わせることがあります。無理をせず、体調の良い日にお越しください。
卵アレルギーについて:インフルエンザワクチンは鶏卵を用いて製造されますが、卵アレルギーがあっても接種可能とされています。過去に強いアレルギー症状を起こしたことがある方は、事前にご相談ください。
他のワクチンとの間隔について:現在は、他のワクチンとの接種間隔に制限は設けられていません。帯状疱疹ワクチンや肺炎球菌ワクチンなどを検討されている方は、あわせてご相談ください。当院ブログの大人にも必要なワクチンがありますもご覧ください。
接種後について:接種部位の腫れや痛み、軽い発熱などが現れることがありますが、多くは数日で改善します。気になる症状が続く場合はご相談ください。
発熱がある場合の受診について:発熱や強い倦怠感などインフルエンザが疑われる症状がある場合は、院内での感染拡大を防ぐため、来院前にお電話でご連絡ください。症状を伺い、受診方法や時間帯をご案内します。
当院でできること
当院では、インフルエンザワクチンの接種に加えて、「自分は接種したほうがよいのか」「持病があるが大丈夫か」といったご相談もお受けしています。
持病のある方は重症化のリスクが高くなるため、接種の優先度も高くなります。一方で、体調や治療の状況によっては、タイミングを調整したほうがよい場合もあります。当院は内科として高血圧・糖尿病・脂質異常症などの生活習慣病を継続的に診ており、普段の体調を把握したうえでご案内できることが強みです。
「今年は打つべきか迷っている」「他のワクチンとどう組み合わせるとよいか知りたい」——そうしたご相談も歓迎します。当院ブログの2026年、再び広がる「麻疹(はしか)」でもお伝えしたように、ワクチンは「必要な方に、必要なタイミングで」届けることが大切だと考えています。
護国寺・大塚・目白台・雑司ヶ谷・東池袋・江戸川橋エリアにお住まいの皆様、そしてこのエリアで働く皆様。予約不要で、診療時間内にそのままお越しいただけます。この冬を元気に過ごすための備えとして、ご検討ください。
次の一手——今日からできる3つのこと
① ご自身やご家族が助成の対象になるか確認する
(文京区にお住まいの対象の方は9月24日以降が無料・割引になります)
② 対象外の方・早めに済ませたい方は、9月12日以降にご来院を
③ 他のワクチンとの組み合わせに迷ったら、受診時にご相談を
よくあるご質問(FAQ)
Q. インフルエンザワクチンは予約が必要ですか?
A. 予約は必要ありません。診療時間内に直接ご来院ください。受付後、院内で問診票をご記入いただきます。
Q. いつから接種できますか?
A. 2026年9月12日(土)から接種を開始します。
Q. 接種料金はいくらですか?
A. 自費での接種は1回3,500円(税込)です。
Q. 子どもは何歳から接種できますか?
A. 当院では小学1年生から接種しています。
Q. 9月中でも高齢者や子どもの助成を利用できますか?
A. はい。文京区は流行開始が早いことを受けて助成の開始を前倒しし、9月24日(木)から利用できるようになりました。ただし9月23日までに接種する場合は、対象の方でも自費(3,500円)となります。
Q. 豊島区に住んでいる65歳以上ですが、接種できますか?
A. 東京23区にお住まいで高齢者インフルエンザ予防接種の対象となる方は、各自治体から発行された予診票をお持ちいただければ当院で接種できます。ただし9月24日開始は文京区の措置ですので、開始日はお住まいの区にご確認ください。
Q. 文京区の子どものインフルエンザワクチン助成は利用できますか?
A. はい。9月24日(木)からご利用いただけます。助成額は注射用ワクチン1回3,000円で、当院では差額500円のお支払いとなります。なお当院では小学1年生以上の方を接種対象としています。
Q. 予診票が届いていないのですが、9月24日から受けられますか?
A. 高齢者の定期接種の予診票は9月下旬から順次郵送されます。前倒しでの接種をご希望で予診票が届いていない場合は、文京区予防対策課(03-5803-1834)へ直接お問い合わせください。
Q. 9月に接種すると、流行のピークまでに効果が切れませんか?
A. 厚生労働省が示しているのは「12月中旬までに接種を終えることが望ましい」という目安であり、早すぎる時期についての制限は示されていません。今シーズンは流行入りが例年より1か月以上早いため、早めの接種にはむしろ意味があります。
Q. もう流行が始まっているなら、今から打っても間に合いますか?
A. 抵抗力がつくまで2週間程度かかるとされていますが、流行は今後さらに広がると見込まれます。これから接種することにも十分な意味があります。
友成第二医院(文京区護国寺)/内科・整形外科・リハビリテーション科
護国寺駅1番出口より徒歩約2分
参考
この記事の監修者
鈴木一平(すずき いっぺい)
医療法人社団護友会 友成第二医院 院長
広島大学医学部医学科卒。総合診療医として内科・救急・訪問診療に従事。
日本内科学会内科認定医/日本専門医機構認定内科専門医